幸い、Gさんは慎重に行動したこともあって、それ以来は平穏な日々が続いた。 だが、2年ほどして、再びGさんを悲劇が襲った。 その日は、事務所内での机などの配置変えがあった。 Gさんも、二人で机を持って中庭を通り、別棟に運ぶ、という仕事を手伝うことになった。 Gさんは机の前、つまり後ろ向きに進む役回りを引き受けた。 中庭を通過する時のことである。 Gさんは、頭に何かが当たったのを感じた。 あわてて振り向いた、その瞬間、かつらが動いてしまったのだ。 Gさんの真上には、中庭に植えられている木の枝が伸びていた。 そこにつっこんで、かつらに枝が触れたまま振り向いたのだからたまらない。 机を挟んで、同僚がこちらを見ている。 意外な展開に、口をぽかんと開けたままだ。見られた! この後は、ご本人のご希望で省略する。 Gさんは、その人にはバレたが、それ以上、噂が広まるのをくい止めることはできた。 Gさんは、それ以来、頭に触れそうなものには十分注意するようになったのは、言うまでもない。 |